経済産業省が2009年度予算の概算要求に盛り込む地球温暖化対策の概要が20日、固まった。家庭用太陽光発電システムの普及支援や、事業者が省エネルギー機器を導入する際に補助金を出すなど、新エネルギー、省エネルギーの普及促進策が柱。予算規模は08年度の4160億円を上回る見通しだ。
二酸化炭素(CO2)の排出量を大幅に抑制した「低炭素社会」の実現に向けて積極的に取り組む姿勢を示すとともに、日本が先行する省エネルギー、新エネルギーの技術開発力をさらに強化し、産業の国際競争力を高めるのが狙い。
既存の技術関連では、家庭用太陽光発電の設備費用の一部について補助する。また、電気自動車など次世代のクリーンエネルギー自動車の普及促進に向け、購入時と充電器の設置に助成する。CO2の排出量が少ない原子力発電も推進する。
地球温暖化防止に対する企業の意識を高める施策では、政府が今秋から試行的に実施するCO2の排出量取引への中小企業の参加を支援する。
資源採掘から製造,販売,廃棄に至るまで,商品のライフサイクル全般にわたって排出された温室効果ガスをCO2排出量に換算して表したもの。「炭素の足跡」という意味。商品パッケージなどにCO2排出量をラベル表示して“見える化”することで,事業者の温暖化抑止への取り組みを消費者にアピールし,環境に配慮した購買行動を促すために用いられる。
一方,事業者に対しては,サプライチェーンを通じた企業のCO2排出量を正確に把握することで,環境に配慮した商品開発に取り組むための指標の一つになる。
英国は特にカーボン・フットプリントに積極的に取り組んでいる。政府主導の下,温室効果ガスの算定に関する規格「PAS2050」の作成が進められており,国際標準化機構(ISO)のカーボン・フットプリント規格化作業においても主導権を取るべく動いている。カーボン・フットプリントに関する実験プロジェクトも実施され,2008年2月時点で20社75品目にCO2排出量ラベルを付けて運用している(図1)。また,スーパーマーケットの最大手テスコは7万点の商品すべてにCO2排出量ラベルを付けると発表した。
日本では2008年6月9日に発表された「福田ビジョン」の中で,カーボン・フットプリントの制度化を表明。これを受けて経済産業省は,「カーボンフットプリント制度の実用化・普及推進研究会」を6月17日に設置した。当面,CO2排出量の算定方法や表示・評価に関するルールの検討を進めていく。活動の一環として,12月に開催される「エコプロダクツ2008」において,研究会に参加する約30社が,カーボン・フットプリントを算定・表示したサンプル商品を出品する予定だ。
証書は環境問題に関心のある企業などに販売できるため、導入費用の一部を補てんできる。実験を踏まえ、2009年度には発行体制を整備したい考えだ。
グリーン電力証書は、太陽光や風力などの自然エネルギーを利用して発電した電気が、通常の発電に比べてどの程度二酸化炭素(CO2)を削減できたかを証明する文書だ。すでに風力発電やバイオマス発電では発行が進んでいるが、家庭に多く設置されている太陽光発電では活用が遅れている。家庭の太陽光発電は規模が小さく、1件当たりの証書発行にかかる費用が割高になってしまうためだ。
実験では、住宅メーカーと太陽光発電機のメーカーが参加し、メーカーが家庭からまとめてCO2削減分の価値を買い取って証書を発行できるようにする。家庭に発電量を測るメーターを取り付けてネットを通じてデータを集約し、メーカーなどが新設する証書発行会社が証書を発行する。
グリーン電力証書代金は1家庭あたり年2万~2万5000円程度となる見込みで、そこから認証費用などを差し引いた金額が家庭に支払われる。