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CO2マネジメントの時代が来た

                                         2008.11.11 REUTERS

アル・ゴア前米副大統領とIPCC(気候変動に関する政府間パネル)がノーベル平和賞を受賞した2007年が前夜なら、08年はカーボンマネジメント(CO2排出量管理)元年と後世は位置づけるかもしれない。

京都議定書の第一約束期間に突入、先進国は2012年に向けた温室効果ガス削減の数値目標が課せられ、洞爺湖サミットでは環境・気候変動が重要テーマに。異常気象は常態化し、日本は酷暑とゲリラ豪雨の夏に見舞われた。米国発金融危機と世界的な不況が"環境"の優先順位を押し下げることを懸念する向きもあるが、不況下の省エネや低コスト化努力はCO2削減に直結するカーボンマネジメントの基本中の基本だ。

「環境問題の潮目が大きく変わって、カーボンマネジメントは避けて通れないとこの1年で日本企業の多くが腹を括った印象を受ける」と日本カーボンオフセットの村上賢之事務局長は語る。カーボンオフセットとは、個人や企業が直接的に削減し切れないCO2などの温暖化ガス排出量を、植林の実施やクリーンエネルギー事業で生まれた排出枠の購買など、別の場所での排出量削減で相殺(オフセット)する仕組みのこと。CO2排出権付の商品やサービスが続々誕生、カーボンオフセット市場は日本でも拡大の様相を見せている。同社はそれらの仕組みを提供する日本初のカーボンオフセットプロバイダーだ。

「炭素税の導入などCO2排出に規制がかかれば、CO2は原材料費や人件費同様、れっきとしたコストとしてP/Lにも載ることになる。経営者は排出量をいかに減らすか、出すならどう効率よく利益に結びつけるかを考えなければならない。コストマネジメントと同じ文脈でカーボンマネジメントが浮上してきた」

100人で何台の車を生産するかと同じように、100トンのCO2を使って何台の車が作れるかをマネジメントする時代になりつつあるという。いかに少ないCO2でより多くの利益を生み出すか――。すでにボストンコンサルティンググループはROEならぬROC(炭素利益率)という経営指標を打ち出している。将来、投資ファンドがROCを盾に経営責任を問う場面が登場するかもしれない。

コストと収益という財務上の問題にとどまらない。“CO2効率”がCSR(企業の社会的責任)として厳しく評価され、“低炭素”がマーケティングに欠かせないキーワードになってくる。

リスク承知で経営計画に大胆なCO2削減目標を盛り込む企業も出てきた。多くは省エネの延長で達成可能な数値を超えている。暮らしに置き換えれば、空調を抑えたり、冷蔵庫を省エネタイプに切り替えて済むレベルではない。ライフスタイルを変えたり、家を建て替える発想がなければ到達できない領域だ。

厳しい経営環境の中で、多くの企業が気づき始めている。かつて公害や石油ショックを克服するためのブレークスルーが日本の国際競争力を高めたように、カーボンマネジメントを突き詰めたその先に、技術やビジネススタイルの劇的なイノベーションが待ち受けていることを。

 自分たちが出しているCO2を自分たちで減らすのは省エネ。しかし発生した場所で削減する省エネには限界があります。そのため、CO2の発生と削減がそれぞれ別の場所で行い、地球規模のCO2収支をゼロにオフセット(相殺)するのがカーボンオフセットの基本的な考え方です」(日本カーボンオフセット・村上賢之事務局長)

「CO2ゼロ」や「排出権付き」をうたった商品やサービスが増えてきているが、それらは「何から排出されるCO2を相殺するか」によって、2つの種類に分けられる。

1つは「LCA(ライフサイクルアセスメント)型」。その商品やサービスの製造、販売、使用、廃棄にかかわる過程で発生するCO2を算定してオフセットする方式。つまり商品やサービスのサプライヤー(提供者)が排出するCO2がオフセットの対象だ。

一方、商品を購入したユーザーが日常生活全般で排出するCO2をオフセットの対象にしているのが「寄付型」。日常生活で出しているCO2をオフセットしたい一般消費者になり代わって、企業がCO2削減のための排出枠を購入するというシステムである。


エネ庁が太陽光発電で窓口開設 普及拡大へ「補助併用」PR

                                                                                                   2008.11.08  FujiSankei BusinessI

 資源エネルギー庁は、住宅用太陽光発電の普及を促すため各都道府県に相談や申請を受け付ける窓口を設置し、国や各自治体が設けた補助制度を一括して利用できるようにする。国、都道府県、市区町村の各補助制度をあわせて使えば、設置費用の半分程度を賄えるところもあり、同庁では「普及を一気に拡大したい」考えだ。

 ◆費用は半額も
 窓口の運営主体は、公募によって電機や住宅設備メーカーでつくる太陽光発電協会(代表理事=川村誠・京セラ社長)に決めた。都道府県ごとに事業者を募り年明けにも運営を始める。

 国は年度内に1キロワット当たり7万円程度の補助を開始。一般的な住宅用(発電能力3.5キロワット)だと、20万円ほどになる。設置費用は200万円程度のため、およそ1割の補助となる。

 太陽光発電への補助制度は自治体レベルでも急速に広がっており、同庁によると約300の自治体が制度を設けている。

 例えば、東京都は来年度から2年間、1件当たり30万円程度の補助制度を始める。都環境局では「都内の市区がすでに実施している制度と組み合わせて利用してほしい」としている。国と都、各市区の制度も併用すると、補助額は計70万~80万円程度になる。また高知県檮原(ゆすはら)町の場合は1キロワット当たり20万円。国の補助と合わせると90万円を超える計算だ。設置費用は100万円強ですむことになる。

 国内の太陽光発電の導入量は2003年末に累計86万キロワットだったのが、07年末には191.1万キロワットに拡大した。このうち8割が戸建て住宅用とみられ、単純計算すると40万戸強が設置していることになる。

 ただ、新エネルギー財団の集計によると、07年度の太陽光発電設備の年間販売実績は約5万件で、05年度の約7万3000件と比べると減速気味。1994年度に始まった補助制度が2005年度にいったん終了したことが影響しているようだ。

 ◆4万戸を支援

 08年度の補正予算には太陽光発電の補助として90億円を計上、4万戸程度を支援できる。資エネ庁は、補助の復活にあわせてより使いやすくする環境を整えることで太陽光発電の導入を再び加速させたい考え。来年度予算の概算要求では10万戸分の238億円を計上している。

 国としては10年度に最大482万キロワット、100万戸超に相当する規模にまで増やすことを目指している。
                   ◇

【予報図】
 ■量産効果で価格さらに低下

 今回の窓口開設は、制度の利用拡大に有効な手だてとなりそうだ。ただ景気低迷で、制度の利用が政府の思惑ほど進まない可能性もある。

 太陽光発電を導入すれば、電気代の節約に加え、使わない電力を電力会社に売却することもできる。このため初期投資は20年程度で回収できるとされる。国や各自治体の補助制度をフルに活用すれば半額近い投資で太陽光発電設備を設置することも可能で、回収期間はさらに短くなる。電気料金が上昇すれば電力会社の買い取る価格も上昇、回収期間は一層短縮される。

 また太陽光発電設備の普及が進むにつれ、システム価格が低下している。設置工事費や付属機器を含めた価格は、この10年で約3割下がった。補助制度の再開をにらんで、三菱化学などの素材メーカーや、シャープ、三洋電機といった電機メーカーが相次いで増産計画を打ち出しており、量産効果でさらに価格が低下していくのは確実だ。

 各都道府県に新たに設置する窓口では、補助制度の紹介、申請受付のほか、啓発活動も行う。環境に優しいだけでなく、経済的にも利点が大きいことが強調されることになりそうだ。

 ただ、景気の先行きは暗く賃金の上昇も見込めないため、太陽光発電設備の導入は「環境問題に特に関心が高い人以外は見送りがちで、売電による収支計算にもあまり興味を示さない」(大手住宅メーカー)のが実情。普及促進には、ローンや教育費なども含めて家計を総合的にみて助言できる、ファイナンシャルプランナーなどとの連携が求められる。

明るい未来を照らす太陽光発電業界

                                                                      2008.11.07 ZD Net Japan

 太陽光発電に携わっている人々は、太陽が投資先の1つとして認知されることに期待を寄せている。

 金融市場が危機的な状況に陥ったことで、成長著しい太陽光発電ビジネスにも影響が及び始めているのはたしかだ。不動産価格の下落や、財布のひもを締める傾向が強くなる雰囲気のなか、再生可能エネルギーが好ましいと考えている消費者でも、太陽電池パネルの購入を手控える可能性が出てきた。また、投資が減退すれば、ビル屋上の発電アレイや太陽光発電施設のような大規模プロジェクトは資金獲得が難しくなる。

 しかし、経済の見通しは暗いものの、2008年10月13日から16日にかけて開催されたSolar Power International 2008カンファレンスの雰囲気はとても明るかった。

 太陽光発電業界は、太陽光発電に対する税制優遇措置の8年間延長を連邦政府が認めるという大きな勝利を得たからだ。住宅所有者にとっては優遇措置を長く受けられる。

 株式相場が乱高下している状況だが、財務面だけでみれば太陽光発電の関連企業は堅調のようだと、多くの経営者が口を揃えている。

 「投資のクオリティが高いからこそ、太陽光発電に注目が集まっていると考えている」と語るのは、カリフォルニア州に拠点を置き太陽光発電パネルの製造と設置事業を展開するSunPowerで最高経営責任者(CEO)を務めるTom Werner氏だ。同氏によると、過去3~4年間にわたる大規模な太陽光プロジェクトは、期待された投資リターンに見合うだけの実績を生んできたという。

 「もっとも現在の金融状況は異なっていて、市場はより慎重になっている。リスク要因や企業の貸借対照表など、銀行はより細かいところまで調べるようになってきた」(Werner氏)

資金調達には銀行との度重なる折衝が必要

 信用収縮や景気後退の影響に関して、Solar Power International 2008では、「まだ半分も残っている」とする楽観派と、「もう半分しか残っていない」とする悲観派との間で議論が交わされた。

 電力会社や企業からみて太陽光プロジェクトは予測可能なリターンが得られるという特徴があり、結果的にローリスクになっていると、Idealabと呼ばれるテクノロジインキュベータ企業のCEOを務めるBill Gross氏は述べている。Idealabは、Energy InnovationsとeSolarという、電力会社を目指す太陽光発電事業会社2社を誕生させている。

 新しいテクノロジによって太陽光発電のコストは化石燃料発電のコストに近づきつつある。さらに、クリーンエネルギー生産を奨励する政策によって、大規模プロジェクトの投資リターンは向上している。

 「それでも、化石燃料発電のコストを下回ろうとするのは大変難しいものがある。すべてがグリーンなエネルギーの価格を下げられる人がいたら尊敬に値する」とGross氏。

 Sempra Generationで社長兼CEOを務めるMichael Allman氏によると、天然ガス発電所の建設と運営を行っているSempra Energyは、太陽光発電に今後数年間にわたって数10億ドルを投資する計画で、通常の投資と同じ程度のおよそ10%のリターンをもくろんでいるという。

 信用収縮が起こったせいで、他の企業が大規模プロジェクトを立ち上げようとしても、その過程でSempraに比べて難しい状況に直面する可能性が高いと同氏はみている。

 太陽光関連の投資会社であるMMA Renewable VenturesでCEOを務めるMatt Cheney氏は、太陽光発電事業会社の経営陣は、リスクを抑えてより良い投資条件を引き出すために、金融アナリストや銀行と何度もミーティングを重ねることを見込んでおくべきだと指摘した。

 同氏はカンファレンスで行われたCEOパネルディスカッションのなかで、「我々が現在直面している金融ショックの影響を過去の歴史にあてはめて考えると、わずか半年前の、得ていた利子で資金を調達できていた状況と同程度まで世の中が落ち着くには、およそ4年はかかる」と発言した。

 そのほかの経営者は、再生可能エネルギープロジェクトへの投資を検討してきた多くのファンドがすでに実際の投資資金を調達済みであることを引き合いに出しながら、市場に関して楽観的な見方を示した。

 太陽光セルおよびパネルを製造するSuntech Powerで最高戦略責任者(CSO)を務めるSteven Chan氏は、連邦政府が気前の良い奨励策を出し、しかも需要もあるのだから、大型の案件は依然として「資金調達可能」な状態にあるとした。ただし投資家は条件を変えつつあるように見受けられる。

 経済の全般的な落ち込みは太陽光発電に別の形で水を差すかもしれない。企業の収益が悪化して支払うべき税金が減るのなら、政府の奨励策によって税優遇という「ニンジン」がぶら下げられていても、屋上に太陽光アレイを導入することはおそらくはしないだろう。

 金融市場の混乱によって太陽光発電企業の事業拡張計画が遅延する恐れもある。新規上場の機会がほとんど失われてしまった現在では、たとえば新しい製造設備を建設するために株式市場で資金を調達しようとしても、調達までに時間がかかってしまうだろう。

堅調そうにみえる個人住宅向け市場

 一方、消費者からは太陽光エネルギーは今までになく魅力的にみえる。

 連邦政府の最近の政策変更により、住宅の所有者に太陽電池パネル購入費用の30%の税控除が適用されるようになったからだ。以前の政策では控除額は2000ドルが上限となっていた。

 「上限が撤廃された結果、郊外の平均的な住宅の太陽発電システムに3万ドル程度かかるとして、9000ドルの税控除が受けられる」とChan氏。「現金だから効果は大きい。住宅所有者にとっては追い風の状況になる」

 税控除は来年から実施されるが、延長の結果8年間にわたって適用される。こういった制度としては比較的長期間だ。また、太陽光セルの効率は今後も向上が見込まれるため、住宅所有者は同じ価格でより発電量の大きなパネルを購入することができるようになると、Chan氏は言う。

 ちなみにSolar Power Internationalカンファレンスでは、環境志向の強い消費者向けビジネスの話になると、「税控除投資家」や「内部収益率」のような無味乾燥な金融用語が交わされていた。

 ビジネスの経済性を追い求めることは当然の成り行きであり、太陽光発電の導入は今後5年間で急速に拡大するだろうと、Solar Electric Power Associationのエグゼクティブディレクターを務めるJulia Hamm氏は考えている。テクノロジの進歩によって屋根用太陽光パネルの発電コストは商用電気料金に近づきつつある。いわゆる「グリッドパリティ」がみえてきた。

 先行投資のハードルを下げるために、SolarCityやSunRunのような新しい企業は、消費者や小企業向けにリースのような支払い方法をオプションとして提供し始めた。小規模な電力業者も太陽光発電に参入しつつあり、導入を促す工夫を図っている。

 ただしお金の話ばかりしているからといって、太陽光エネルギーの環境的な貢献は二の次だ、などとは言うつもりはない。それどころか、現在の連邦政府の政策や地方の政策は、再生可能エネルギーに価値を認めていると、経営者たちは考えている。業界は電力配電網の刷新計画や増強計画など、さらなる主導的政策に向けてロビー活動を行っているところだ。

 Sempra GenerationのAllman氏は、電力販売量の一定割合を再生可能電力とすることを義務付ける再生可能エネルギー利用割合基準(RPS)のような政策は、マーケットシグナルとしての働きをすると考えている。

 「環境への貢献がなければ誰も太陽光発電を導入しようとはしないだろう。あまりに高価でしかないからだ。私は、従来の電力のマーケットとグリーンな電力のマーケットは別物として考えている」(Allman氏)

 現在の経済や政治を取り巻く情勢によって、エネルギー自給率の向上と環境保護が志向されている。そのため、太陽光発電関連企業の経営者の多くは、長期的な視点ではとても強気だ。

 太陽光発電業界にとって、さらには他の業界にとって依然として未知な部分は、現在の金融危機のショックがどのくらいの影響を及ぼすのかということだ。

 「電力料金は資本コストで大部分が決まる」と、低価格な太陽光パネルを提供していることで知られるFirst SolarでCEOを務めるMichael Ahearn氏は言う。「現在、本当の意味で機能している市場が存在しないなかで、我々は暫定的な状態にいるにしかすぎない。問題は市場のリセットがどこで起こるかだ」と、カンファレンスのパネルの中で指摘した。


「二酸化炭素排出量削減は順調」、グリーンITの国際団体代表が1年目を総括

                                                                                                                    2008.11.07 IT Pro

グリーンITを推進する国際団体「クライメート・セーバーズ・コンピューティング・イニシアティブ(CSCI)」は2008年11月5日、設立後1年間の活動内容を発表した。IT機器のエネルギー効率に関する目標値策定などに取り組んだという。CSCIのローリー・ワイグル代表は「加入企業の二酸化炭素(CO2)排出量削減は順調に進んでいる」と自己採点する。

 この1年でCSCI規定の目標値をクリアした製品は電源装置で650、デスクトップ・パソコンが700、ノート型パソコンが800に達したという。また、CSCIのメンバー企業はエネルギー効率が高い製品を選ぶことや、パソコンのスリープモードを活用することなどに同意する必要がある。それについても「対応状況はまずます」とワイグル代表は評価する。

 2年目となる今後は情報配信を強化していく方針。「日本でどのようにメッセージを配信していくか、日本のメンバー企業と議論する」(ワイグル代表)。CO2排出量削減効果を計測するツールなども配布するという。メンバー企業も増やす。

 CSCIはインテルやグーグル、マイクロソフトといった海外ベンダーが中核となって発足した。NEC、日立製作所、富士通、オービックビジネスコンサルタント(OBC)、クオリティといった国内ベンダーのほか、ニコンやホンダエンジニアリングなどのユーザー企業も参加している


CO2削減長期目標のロードマップ策定へ-産構審部会

                                                 2008.11.04  The Chemical Daily - News

 中央環境審議会・地球環境部会は、2050年に温室効果ガスを60~80%削減するという日本の長期目標に向け、ロードマップ策定に着手する。国立環境研究所などがまとめた「低炭素社会に向けた12の方策」(脱温暖化2050プロジェクト)をベースに、具体的な施策を時系列的に整理するもの。5日の会合から議論を開始し、年度内にまとめる予定。「12の方策」を具体化するタイミングが明示される。「12の方策」は国立環境研究所、京都大学、立命館大学、みずほ情報総研などが昨年まとめたもの。日本は50年までにCO2排出量を1990年比70%削減することで、豊かで質の高い低炭素社会の構築を可能とした。