最新の省エネ機器を備え、自然エネルギーを活用した新築エコ住宅は魅力的だが、誰もが簡単に買えるものではない。現実には、既存の住宅をエコ仕様にリフォームすることが、より身近な選択肢だろう。住宅を解体するときに出るエネルギーや廃材は環境負荷が高く、CO2削減という側面から見ても、「定期的にメンテナンスをしながら、長く住み続けることがエコにつながる」(三井のリフォーム 住生活研究所の西田恭子所長)。
エコリフォームのキーワードは、「最適化」と「補助活用」だ。
最適化とは、住む人の生活パターンに合うように住宅を改善すること。従来、住宅のリフォームといえば、手狭になった家を増築し、設備を追加するという“足し算”が主流だったが、例えば子どもが独立し、住む人数が減った世帯などの場合には、「減築」という選択肢が出てくる。
減築とは、既存の住宅の建築面積や床面積を減らして住環境を快適にするリフォームのこと。2階建て家屋の2階部分を減らして平屋にするといったケースだ。不要なスペースが減ることで冷暖房費が削減できたり、掃除がラクになったりと利点は多い。
減築に注目が集まる背景には、少人数世帯の増加がある。1960年当時、日本の1世帯当たりの平均人数は4.14人だったが、2010年には2.49人となり、その後も減少が続く見通し。「以前は家を小さくするためにお金を使うことに違和感を持つ人が多かったが、意義を理解してもらえるようになってきた」
省エネ改修で減税 エコキュートには補助金あり
リフォームの際には、補助金や減税もしっかり活用したい。
例えば、08年中に中古住宅のサッシを複層ガラスに変更する、または床や壁の断熱材を強化するなど、一定の省エネ改修工事を行った場合、省エネ改修促進税制によって、ローンの年度末残高(上限200万円)の2%が5年間控除された。また、2010年3月末までに30万円以上の省エネ改修工事を行った場合は、翌年度の住宅の固定資産税(家屋120平方メートル相当分まで)が3分の1減額されることになる。
補助金では、例えば家庭用エコキュートの設置には、日本エレクトロヒートセンターから4万2000円が補助される制度がある。補助を受けるには、定められた期間に所定の手続きをして承認される必要があり、第4期募集は08年11月4日~09年1月15日だった。設置を検討している人は、次回の募集を待ちたい。
そのほか、自治体や業界団体による補助金も多い。地元自治体のホームページなどで確認しておきたい。
太陽光発電システムの価格は,1993年度には出力1kW当たり370万円もしたが,10年後の2003年度には69万円まで下がった。しかし,その後は横ばいで2007年度は70万円。これを発電コストに換算すると49円/kWhになる。家庭用電力料金が20数円/kWhなので約2倍。これでは高過ぎる。
日本の太陽電池の導入量は世界トップを長年走り続けてきたが,2005年にドイツに抜かれ,その後は差が開くばかりだ。国際エネルギー機関のデータによると2007年末時点の累積導入量は日本が1.92GWに対してドイツは3.86GWと約2倍に達している。この差を生んだのは経済性である。日本では太陽電池が割高なのに対してドイツだと“お得”なのだ。その理由は,ドイツが導入している太陽電池の普及制度にある。ドイツでは,太陽電池で発電した電力を,電力料金の数倍の価格で電力会社が買い取る制度がある。このためお得になる。つまり,政策によって需要が上積みされているのだ。
日本も家庭用太陽電池の普及を政策で支援してきた。1994年に始まった補助制度では,システム価格の半額に近い,出力1kW当たり90万円程度の補助金が出ていた。ところがこの補助制度は補助額を徐々に減らしながら2005年度に終了した。くしくもこの年に累積導入量でドイツに抜かれた。
ところが,2009年1月から家庭向け導入補助制度が復活した。1kW当たり7万円を補助する。これはシステム価格の約1割に当たる。補助金の原資には税金が充てられる。さらに2009年2月24日,二階俊博経済産業大臣はドイツと同様の制度の導入を日本でも検討することを明らかにした。買い取り価格は家庭用電力料金の約2倍の40~50円/kWhを軸に検討していくという。この割り増し価格の原資は,一般の電力料金に広く薄く上乗せすることになりそうだ。経産省資源エネルギー庁では「家庭用電力料金の2倍で買い取る場合,一般家庭の負担増は約100円/月になる」と試算している。私たちが100円/月を負担するわけだ。これに対しては,反対意見が出てくる可能性がある。
経産省のシナリオは,こうした補助/支援制度は期間限定で,その間に技術開発を進めて発電コストを大幅に引き下げ,補助/支援制度なしの経済原理だけによる自律的な普及へと導くこと。技術が太陽電池の命運を握ることになる。そのコスト競争力を実現できたとき,本来の意味での太陽電池先進国に初めてなれるわけだ。
ヒートポンプとは、その名の通り、空気中などに散らばっている熱を汲み上げるポンプのこと。自然の熱をかき集め、熱エネルギーに転換する仕組みを指します。
元になる原理は、気体には圧縮すると温度が上昇し、膨張すると温度が下降する性質があるというもので、1824 年にフランスの物理学者カルノーが発見しました。この単純な原理を用いて、大気や水などの熱を集め、冷却または加熱に用いるシステム、それが、ヒートポンプなのです。
ヒートポンプは、昔から冷蔵庫やエアコンなどの冷却用として広く使われてきました。あなたの自宅のエアコンにも、ヒートポンプは使われているはずです。技術革新により、その用途も冷房から暖房、給湯などへと広がり、そして近年は、地球温暖化防止の観点からも、大きな注目を集めています。
ヒートポンプは火をたかずにエネルギーを得るシステムであるため、二酸化炭素(CO2)を排出しません。地球温暖化の原因の一つは、人間が排出するCO2などの温室効果ガス(GHG)だということが、ほぼ断定されています。通常、燃焼式システムの場合、暖房や給湯用に熱をつくる場合は、主に化石燃料を燃やすことによって熱を生み出すため、CO2が発生します。これに対して、ヒートポンプは少しの動力で、空気中などに存在する無尽蔵の熱を取り出しますから、CO2削減に大きな効果があるのです。
京都議定書により、日本政府には2008年~2012年の平均で、GHGを1990年比6%削減することが義務づけられています。これは、かなり厳しい課題のようにも思われます。しかし、もしヒートポンプが日本中の空調・給湯・加温機器に普及したとすると、日本全体で1年間に排出するCO2の約10%を削減できるという試算があるのです。ヒートポンプシステムの普及こそが、“地球温暖化対策の切り札”と言われる理由がここにあります。
ヒートポンプはわずかな動力で、空気中に存在する無尽蔵の熱を取り出せるため、温室効果ガス(GHG)の一つである二酸化炭素(CO2)の削減に大きな効果がある。京都議定書により、日本は2008年~2012年の平均で、GHGを1990年比6%削減することが義務づけられているが、ヒートポンプが日本中の空調・給湯・加温機器に普及したとすると、日本全体のCO2排出量の約10%削減できるという試算がある