簡単そうで難しいのがクルマを一定速で走行させることだ。ビギナーはもちろんだが、ベテランドライバーになってもできていない人がたくさんいる。
一定速走行は、実際にはできていないのに、自分では問題意識を持っていないため、技術的に向上しないのが現実だ。エコドライブのためだけでなく、同乗者にも優しいのが一定速走行だから、ぜひこの機会に自分の運転をチェックしていただきたい。
乗用車の重量は1500kg(1.5t)ほどある。軽自動車は800kg前後、コンパクトカーでも1000kgをちょっと越える。大型高級車になると2000kgか、それ以上のモデルも少なくない。そこに人が乗り、荷物を積んでいるのだから、それを動かすには大きなエネルギーが必要なのは分かるだろう。
クルマが一定のスピードで走っているときは、慣性の法則(止まっているものはそのまま止まっていようとし、動いているものはそのまま動こうとする)により、そのスピードを維持するためには大きなエネルギーを必要としない。空気抵抗、タイヤの転がり抵抗、あるいは道路の勾配による抵抗など、クルマのスピードを落とそうとする力に対抗するだけの力を発揮すればいいだけだ。
走行抵抗に任せて穏やかにクルマのスピードを落としていくときには、エネルギーを必要としない。その間はエネルギーを消費せずに距離を稼ぐことができる。しかしクルマのスピードを上げようとするときには大きなエネルギーが必要になる。
このマイナス(-)とプラス(+)により、平均スピードが同じなら一定速走行と同じエネルギーになるかというとそうはならないようだ。このエネルギーとは燃料消費量である。
一定速走行は燃費に貢献するだけでなく、実は同乗者にも優しい。
ドライバーは自分自身でアクセルペダルを動かしているからあまり気にならないが、同乗者は小さくても加速・減速を繰り返されると快適ではなくなる。
「家の子供は酔いやすいんですよ」と言うお父さんの運転は、たいがい波状運転である。加速のときはまだいいが、減速するときには気持ち悪くなるからだ。
スピードメーターの針が動かない範囲でも、加速や減速の変化を感じないほど丁寧なアクセルワークができるようになれば、きっと家族から運転を褒められるようになるだろう。
エコロジーとは地球環境に優しいだけでなく、人に優しいことも含まれる。だからこの一定速走行はエコドライブの基本なのだ。