省エネ法の改正
2008.03.08 FujiSankei Business
■CO2削減目標達成へ対策/施設から企業に対象拡大
政府は大規模な工場やマンションに省エネルギー計画の策定などを義務付けた「エネルギーの使用の合理化に関する法律」(省エネ法)の改正案を閣議決定しました。京都議定書で定められている二酸化炭素(CO2)など温室効果ガス排出量の削減目標を達成するため、取り組みの遅れている業務ビルや家庭での対策を強化します。今の国会に改正法案を提出し、2009年4月からの施行を目指します。
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同法は1979年、2度の石油危機の教訓からエネルギー使用量の削減を進めるために制定されました。工場や店舗、住宅の所有者らに対し、エネルギー使用量を基準値以下にすることやエネルギー管理者の選任、中長期の省エネ計画の提出を義務付けています。
現行法の対象範囲は工場や店舗では原油換算のエネルギー使用量が年間1500キロリットル以上、マンションなど建築物では床面積2000平方メートル以上の大規模なものに限られています。
加えて、規制対象の選定方法は、工場など施設単位になっています。このため、1事業所ごとの使用量が多い工場のような産業施設は全体の87%が規制対象ですが、1店舗ごとの使用量の少ないスーパーや外食産業、ホテルなど業務ビルは全体の13%にとどまっています。
京都議定書は日本に08~12年度の年間CO2排出量を90年比6%削減する目標を課しています。しかし、05年度の業務ビルの排出量は同1・4倍、家庭は同1・3倍に増えており、政府は省エネ法の適用対象の拡大が必要だと判断しました。
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改正案は規制対象の選定方法を施設単位から、企業単位に変更します。これによりコンビニやスーパーは本部と加盟店が同一企業とみなされ、多くが規制対象に追加される見込みです。省エネ法を所管する経済産業省は改正により対象となる業務ビルは5割程度まで拡大すると予測しています。
また、家庭への規制を強化するため、着工時に省エネ計画の届け出が必要な建築物の対象範囲を床面積300平方メートル程度まで引き下げます。これにより小規模なマンションなども対象になります。
05年度の新規着工住宅件数にこの数字をあてはめると、適用対象は現行の21%から36%にまで拡大します。加えて、従来の対象である大規模建築物については取り締まりを強化するため届け出内容について改善命令できるようにする。違反すると100万円以下の罰金が事業者に科されます。
経産省はこれらの改正により、二酸化炭素(CO2)換算で年間500万トンの温室効果ガス削減効果を見込んでいます。しかし、京都議定書の目標達成には3600万トンの追加削減が必要なため、経産省は省エネを一人一人が心がける「国民運動」などを促していく方針です。省エネ性能の高い家電製品の普及も課題になっており、最終的には個人の意識が目標達成の鍵を握るようです。