省エネ法の改正案を閣議決定、規制範囲の拡大と罰則強化を柱に
2008.03.07 KEN- Platz
政府は3月4日、エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)の改正案を閣議決定した。改正案では建物に対する省エネルギー対策の強化を図っている。
例えば、省エネ法の適用範囲を拡大する。これまでの省エネ法と同法の施行令では、床面積2000m2以上の建物の新築や増改築、大規模修繕の際に建物に講じた省エネ措置を、建て主が特定行政庁に届け出る必要があった。法改正後に実施する施行令の改正で、この適用範囲を床面積が約300m2以上の建物にまで引き下げる見通しだ。
これに伴って、新築時などに省エネ法に基づく届出をした建物の維持保全の状況を特定行政庁に定期報告する仕組みも、床面積が2000m2未満の建物に拡大する。
罰則の強化も図る。大規模な建物について、外壁や窓の断熱、空気調和設備などの効率的な利用といった省エネ対策を著しく欠いている場合には、命令の措置を講じられるようにする。命令に従わない場合には、100万円以下の罰金を科す。従来の省エネ法では、省エネ対策が著しく不十分な場合でも、特定行政庁が実施できる措置は指示や事業者の公表にとどまっていた。
同業他社との競争を促す制度も導入
維持保全の状況の報告対象が床面積2000m2未満の建物に拡大した点を踏まえて、登録建築物調査機関と呼ぶ組織を新たに設ける。同機関は特定行政庁に代わって、建て主から省エネ措置の状況について報告を受け、その内容を調査する。
同機関の調査によって、建物が一定の省エネ基準を満たしている場合には、特定行政庁に対する定期報告を不要にする。登録建築物調査機関の担い手としては、指定確認検査機関や住宅性能評価機関などを想定している。一級建築士や建築基準適合判定資格者検定の合格者などのうち、所定の講習を修了した評価員が、調査を担当する。
これまで自動車や家電製品などに採用されてきた「トップランナー制度」と呼ぶ仕組みを、戸建て住宅を建て売り分譲の形式で供給する事業者に適用する規定も盛り込んだ。同制度は自動車の燃費基準や家電製品の省エネ基準を、既に商品化されている製品のうち最も優れた性能以上に設定して、製造事業者に目標とする年度までにその基準を達成するよう求める仕組みだ。
設定した基準を満たさない事業者に対しては勧告や公表、命令などの措置を段階的に講じ、命令に従わない場合には100万円以下の罰金を科す。年間100~200戸以上の建て売り住宅を販売する事業者を対象にする見込みだ。
このほか、省エネ性能の向上を図るために、建物の設計者や施工者に対して、国土交通大臣が指導や助言を与えられるようにした。さらに、建物の販売や賃貸を営む事業者に対して、一般の消費者に対する情報提供の努力義務を課した。
2000m2未満の建物に適用範囲を広げるという規定を除き、改正省エネ法は、2009年4月1日の施行を目指す。中小規模の建物に適用範囲を拡大する部分については、施行予定日を2010年4月1日に設定している。