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カーボンオフセットやエコポイントは定着するか

2008.02..13 日経ECOLOMY コラム(橋本 賢氏)

 最近は東京でも夜に雪が降る日が増え、練馬では一時20cm積もった日もあります。雪を見慣れぬ私には、窓から白銀に変わった風景を眺めると新鮮な気分になります。とはいえ、底冷えとなった外に出掛けるのがつらく感じるのはトシのせいでしょうか。

■環境行動を付加価値と見立てるカーボンオフセット
 私は日常業務として、排出権取引に関する政策調査や、温暖化への対応に関するコンサルティングに携わっています。そのなかで最近感じるのは、自ら排出権ビジネスのスキームを携えてオフィスにいらっしゃる企業の方々とお会いする機会が増えてきたな、ということです。自社の既存事業のなかで排出権を活用しながら、新たな顧客発掘に結び付けることができないか、といった類のご相談を持ちかけられるケースが多いです。
 こうしたビジネススキームの典型例としては、カーボンオフセットが挙げられます。自社製品・サービスを「カーボンオフセット付き」とすることにより、製品・サービスの広告効果を獲得し、自社の企業イメージを高めるだけでなく、こうした製品・サービスを利用する顧客企業のCSR(企業の社会的責任)向上にも役立てようとの発想です。

スキーム1
【カーボンオフセットスキームの一例(概念図)】
 排出権ビジネスといえば現在も海外プロジェクトを通じた排出権の獲得・販売が主流なのです。一方、カーボンオフセットは排出権を既存の商品・サービスに対する付加価値として利用する点で、ビジネススキームの高度化が図られていると見ることができるでしょう。これは、例えば今までは農家がトマトを作って売っていただけだったのが、ケチャップやトマトジュースといった加工産業に結びついていくことと似ています。 なお、カーボンオフセットは現在では消費者による善意の「寄付」に基づくケースが主流ですが、カーボンオフセット年賀はがきが1億枚の販売目標に対し約1500万枚(1月18日現在)しか売れなかったことからも分かるように、日本では寄付ベースのスキームが根付きにくいと言えるかもしれません。

■環境行動のインセンティブであるエコポイント
 このように、カーボンオフセットは環境行動を付加価値と見立ててビジネスに結びつけるわけですが、これとは異なるアプローチで環境行動をビジネスに結び付けるスキームとして、「エコポイント」が挙げられます。
 エコポイントは、例えばスーパーでマイバッグを持参したり、環境配慮型の商品を買ったりといった行動に対して、金銭的な価値(ポイント)を与える仕組みです。身近な事例では、愛知万博で試験的に行われたのをご存知の方もいらっしゃると思います。
 ポイントを発行するための原資が必要となりますが、多くの場合には企業の協賛金だったり、(環境配慮型である)自社製品を買ってもらうための販促費だったりします。ノベルティーグッズを利用した広告手法を環境面に応用したものと理解できるでしょう。オフセットとちがい、消費者から見れば「お得」感がある分だけハードルが低いかもしれません。

スキーム2
【エコポイントスキームの一例(概念図)】
 このように、カーボンオフセット、エコポイントともに、日本でもいくつかの実証例が見受けられます。以前のコラムでも触れましたが、環境省でも普及に向けたルール作りなども進んでいます。地球温暖化問題への意識が高まっているなかで、こうした環境行動を促すビジネスモデルが今後定着していけるか、注目されるところです。