旭硝子、太陽電池用ガラスの製造設備を増強
2008.02.05 NIKKEI NET
旭硝子株式会社(本社:東京、社長:門松正宏)は、今般、太陽電池用ガラスの製造設備を増強することを決定しました。当社子会社の旭硝子特殊玻璃(蘇州)有限公司(本社:中国江蘇省蘇州市)において、太陽電池用カバーガラスの製造窯(生産能力:240トン/日。700万m2/年)及びARコーティングラインを新設するとともに、愛知工場(愛知県知多郡武豊町)において、TCOコーティングライン(生産能力:600万m2/年)を増設します。
なお、今回の総投資額は約130億円で、カバーガラス製造設備は2009年第2四半期、TCOコーティングラインは2008年第4四半期に、それぞれ量産開始の予定です。
近年、太陽光発電は、地球環境やエネルギー問題を背景に、グローバル全体で市場が拡大しており、2007年には2004年比で約3倍の3.4~3.5ギガワットになったと推定され、今後も年率40%の急成長が予想されます。現在の太陽電池市場は、結晶シリコンタイプが主流となっていますが、原料であるシリコンの需給が逼迫していることから、太陽電池メーカー各社においては、ガラスなどにシリコンを製膜する薄膜タイプの太陽電池など様々な製品の開発・事業化に取り組んでいます。
太陽電池用ガラスについては、主に結晶シリコンタイプ向けには、シリコンを保護するカバーガラスとして、太陽光の反射を低く抑えるため表面に凹凸をつけた型板ガラスが使用されるとともに、薄膜タイプ向けには、表面に透明導電膜(TCO)をコーティングしたガラスが使用され始めています。今後は、いずれのガラスについても需要の伸長が見込まれるものの、一般の建築用ガラスよりも高い透過率が必要になることに加え、発電効率を向上させることができる高機能・高品質な製品が求められている状況です。
当社では、太陽電池用カバーガラスについて、既に米国、ベルギー、フィリピンの各生産拠点で製造していますが、特に市場の急拡大が見込まれる中国において、製造窯及び太陽光の反射を低く抑えるためのARコーティングラインを新設します。加えて、お客様へのサービス向上のため、ベルギーにおいて加工設備(面取り・強化)を増強中であり、これらの施策により、グローバルなネットワークの確立、並びに高付加価値化による差別化を図ります。
また、TCOガラスについては、既に米国、タイでガラス基板を製造し、米国、愛知工場でコーティングしていますが、愛知工場でコーティングラインを増設し、生産能力を大幅に増加させるとともに、ベルギーにおいてもコーティングラインを稼働させます。
当社は、2002年にグローバルカンパニー制に移行後、板ガラスカンパニーでは、ベルギーに本社を置き、その下に日本・アジア本部、欧州本部、北米本部を設置し、事業を運営しています。
太陽電池用ガラスについては、グローバル全体で市場が拡大しており、従来の板ガラスに比べ、市場の成長や技術革新のスピードが速くかつ競争が激しいことから、今般、ベルギー本社直轄の組織としてソーラー事業本部を設置し、グローバルな開発・製造・販売体制を確立することとしました。
これにより、タイムリーな生産能力増強に加え、太陽光エネルギーから電気エネルギーへの変換効率向上に貢献できる革新的なガラスの技術開発をスピーディに進めることができます。